Blender「形状破綻の原因」
カテゴリー:Blender
今回の勉強会の中で一番多く出た問題点が「形状が破綻している所が出る」事でした。確かに私も3DCGを始めたばかりの頃は同じようなケースに度々遭遇していました。今回の勉強会で改めて、やはりここは誰もが躓きやすいポイントなんだなと実感したので、形状が破綻するケースで多いパターンを上げていこうと思います。
1.パッカーンてなる
恐らく一番多いであろうケースだと思います。ミラーと細分割曲面モディファイアーを追加して左右対象に制作していった形状の中心接合部でよく起こる現象です。これは中心部分の接合部分に余計な面が存在する事が原因です。試しにミラーモディファイやーを非表示にしてみましょう。
余計な面がある事がわかりますね。この面を選択して「X」キーの削除メニューから「面」を選択します。
ミラーモディファイアーを表示にして確認してみましょう。
接合部の割れが消えて綺麗に面が整いましたね。
2.凹みができる
こちらは1と同じような現象ですが、余計な面は見当たりません。そんな時は余計な辺がないかどうかチェックしてみましょう。
中心の接合部に余計な辺が見つかりました。基本的に面を削除する時は「X」キー削除メニューの「面」を選択すれば面を構成する周囲の辺も一緒に削除してくれるのですが、「面のみ」を選択すると、周囲の辺は残したまま「面」のみが削除されるので、このように辺だけが残ってしまいます。という事で、この余計な辺を選択し「X」キー「辺」で削除します。
これで妙な凹みも消えて面が綺麗になりました。
3.変な影ができる
これは「E」キーで辺の押し出しをした後に右クリックを押した時に起こります。「E」キーを押した後の右クリックは「押し出し」をキャンセルするものではなく、「0距離の押し出し」という操作になります。試しに重複した面を選択して前面に移動させてみましょう。
- 押し出し
-
- E
元の面の周囲に「高さが0」の面ができていたという事が解ります。面を選択して「X」キーから「面」を選んで削除してみましょう。
穴が空いてしまいました。面を残したまま余計な部分を消すにはどうしたら良いでしょうか?そんな時は「X」キーの削除メニューから「辺を溶解」を選択しましょう。選択するのは以下の辺です。中央の線は上下のつながりを残すために選択しないようにしましょう。
「辺を溶解」は、面は残したまま辺だけを消してくれます。余計な辺が消えてスッキリしましたね。通常の削除と違い「溶解」は文字通り面を残したまま選択物を溶解したい時に使います。
これで形状に破綻がない綺麗な面になりました。
Blenderの扱いに慣れてくるとあまり遭遇する機会はなくなってくるのですが、今一度基本の動作を学び直す良い機会になりました。
おまけ
3の「E」キーの0距離押し出しは使いどころがなさそうですが、選択面を「S」キーで縮小するとこんな風に面の中に面を作る事に使えます(ちなみに「I」キーで1ステップ少なく全く同じ事ができるので「I」キーを使った方が良いかと思います)。
- 面を差し込む
-
- I
また、Eキーの押し出しは、基本的に前後方向に固定の角度で押し出しされるので「ちょっと斜め上に押し出したいんだ」という時は「E」→右クリックの後に選択面を「G」キーで任意の角度で移動させる事もできます。
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