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感情表現のテスト

口のリグがある程度完成してきたので感情を表現するモーションをテスト。トムとジェリーでよく出てくるオーバーアクションをモチーフに、驚きと喜びの感情を動きで表現してみました。「何かを見つけ→それに惹かれ→喜び→媚びを売る」といった流れでポーズを付けています。
まず最初に制作したテスト動画はこんな感じ。

それなりに意味は伝わるかなという感じはしましたが、なんとなくイメージと違う。どこが悪いのか検証しながら修正したのが下の動画です。どうでしょうか?個人的には大分見やすくなったように思います。

修正したポイントは2点。キーフレームを打つタイミングの修正と、キャラクターの頭が描く曲線の修正をしています。
まずはタイミングですが、全体的に同じようなリズムで緩慢な感じがしたので、動きにメリハリを付けてみました。修正前はポーズからポーズへ移り変わる間の動きも目で追う事ができるスピードだったため、多くの情報が目に入ってきます。雑情報が多いと本当に必要な情報の印象が薄くなってしまうような気がします。修正後は動き始めと動き終わりのフレーム数を増やし、ポーズ変化の中間部分のフレーム数を減らす事で情報量を減らしてみました。これによって「驚く」→「喜ぶ」といったキーポーズが強調され、解りやすいアクションになったように思います。何が起きているのか解るように「見せたいポーズ」を「しっかりと見せる」という事が重要なのは、マンガのコマ割りと同じですね。
次にキャラクターが描く頭のラインを修正したのですが、これも雑情報の削除による情報の整理という事になるかと思います。修正前は「驚き」→「喜び」に変化するモーション時の頭の軌跡が綺麗な円弧を描いていませんでした。

1現実の世界では物体が動く軌跡というのは様々ですが、アニメの世界では「円弧を描く」動きが自然に見えるように思います。逆に、動きの中にそれ以外の変化があると、そこに何か意図があるように感じてしまうのではないでしょうか?このベジェ曲線のような軌跡をスッキリと円弧を描くように修正しました。

2たったこれだけの事で動きが整理され、なんとなく感じていた違和感もなくなりました。
アニメーションは「現実世界の動きを模した動きを付ける」という事がベースにあるのはもちろんなのですが、単なる現実世界の再現ではなく「想像上の世界を創造する」行為だという事がよく解ります。一度制作してみた動きを客観的に見て、どこが上手くできていて、どこに違和感があるのか、自分なりの考察をするのもなかなか楽しいなと思います。

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